スタディクーポン・イニシアティブ

経済的な理由で塾に通えない高校受験生にスタディクーポンを届ける「スタディクーポン・イニシアティブ」のブログです。

スタディクーポンは教育格差に対して「これが答えだ」と提示できる小さな革命だと思う|駒崎弘樹

みんなの力で教育格差をなくそうというコンセプトを掲げるスタディクーポン・イニシアティブ。今回は新公益連盟代表理事の立場でイニシアティブにも参画しているフローレンス代表理事の駒崎弘樹さんにお話を伺いました。

 

【話を聞いた人】
駒崎弘樹 フローレンス代表理事 / 新公益連盟代表理事

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1979年生まれ。慶応大学SFC卒。2004年NPO法人フローレンス設立(現職代表理事)。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを開始。08年Newsweek「世界を変える100人の社会起業家」に選出。10年から待機児童問題解決のため「おうち保育園」を展開し小規模認可保育所を政策化。14年日本初の医療的ケア児対応保育園「障害児保育園ヘレン」開園、15年「障害児訪問保育アニー」開始。内閣府非常勤国家公務員、内閣府「子ども・子育て会議」委員、厚労省イクメンプロジェクト座長等を歴任。日本病児保育協会・全国小規模保育協議会理事長。日本こども縁組協会発起人。著書に「社会を変えるを仕事にする」等。

 

姉のすすめで受けた中学受験

ーーー駒崎さんこんにちは。 今日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

ーーー早速受験にまつわることを伺っていきたいのですが、駒崎さんは高校受験をされましたか?

私は中高一貫校に通っていたので中学受験ですね。中学受験をした理由は姉がすすめてくれたからです。

地元の中学校が丸刈りを強制されるような、当時でも珍しい学校だったので、姉から「あんなところじゃなく受験した方が良い」とすすめられ、言われるがままに受験しました。

もし姉がいなかったら...と、本当に偶然だったんだなと思っています。 

 

塾で勉強を好きになった。

ーーー中学受験のために塾には通っていましたか?

はい、行ってました。

基本、勉強は嫌いだったんですけど、塾に行ったことで好きになりましたね。塾では結構面白いことも教えてくれて、例えば歴史とか。

学校だと「ここまででいいよ」って感じで終わってしまうけれど、塾ではわりとマニアックなことも教えてくれて。先生の教え方が良かったのもあって、「勉強って楽しいんだな」「ものを知るのって結構楽しいんだな」と思うことができました。

あと、学校が息苦しかったので、塾で息抜きしている部分もあったと思います。

そういう意味では受験してなかったら、今頃どうなっていたんだろうなと思いますね。

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子どもたちの無限の可能性を花開かせてあげたい

ーーーご自身の中学生時代を振り返って、これから受験する高校受験生に対して伝えたいことはありますか?

私が中学生の頃にバブルが崩壊して、オウムの事件や、阪神淡路大震災があったりしました。日本の景気が悪くなって、学費が払えず友人たちが学校をやめていくのを見るのは、子どもごころにつらかったのを覚えています。

だから、いまの中学3年生たちには「みんなの可能性は本当は無限なんだよ」ということを伝えたいなと思いますね。

ただ、家族や経済力や、様々なシチュエーションで制約されているだけで、本当は無限だから。それをぜひ花開かせてほしいと思います。

 

スタディクーポンは「これが答えだ」と提示できる小さな革命

ーーーこのプロジェクトは、お金が理由で塾に行けない高校受験生に「スタディクーポン」を届けたいというものですが、駒崎さんは今回のプロジェクトに対してどのような思いを持っていますか?

今回のプロジェクトは「日本を変えるプロジェクト」だと思っています。教育格差で苦しんでいる子ども達を助けることのみならず、世の中に対してひとつの解決策を提示することに繋がるんじゃないかなと思っているんです。

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みんな「子どもの貧困」には胸を痛めていると思う。だけれども、じゃあどうしたらいいかっていうことへの答えがない。

そこに対して「これが答えだ」と提示できる、そんなプロジェクトなんじゃないかなと思っていて。本当に小さな革命だと思っていますね。 

ーーー駒崎さん今日はありがとうございました!

 

 

こちらのインタビューのあと、駒崎さん自身がYahoo個人などでスタディクーポンに関する記事を公開していました。

 

その中で、特に印象に残った部分を紹介したいと思います。

塾にかかる費用を社会的にサポートすべきかどうか。たった一つの答えはありません。だからこそ、一人一人がそれぞれ考えられると良いのではないかと思います。

駒崎さんの言葉はきっと一つの指針を与えてくれるはずです。

【あるべき社会を願う前に】

 

「本来なら塾に行かなくても、学校教育だけで済む社会を目指すべきだ。」

 

そういう意見もあるでしょう。でも、いつそういう社会が実現されるのでしょうか。

 

数十年後に訪れるかもしれない社会を夢見て、目の前の子ども達を犠牲にすることはできません。

 

塾代クーポンによって、今目の前にある、アンフェアな子どもの学力格差を埋められるのであれば、そこに社会資源を充当するべきではないでしょうか。

 

こうした民間からの取り組みが広がっていくことを、期待してやみません。

 

企画・執筆

望月優大・松岡宗嗣(SmartNews ATLAS Program)

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スマートニュースの社会貢献チーム。SmartNews ATLAS Programではこれまで「子どもが平等に夢見れる社会を残そう」をコンセプトに、子ども領域の非営利団体の情報発信を支援。今回スタディクーポン・イニシアティブにもサポーターとして参画し、プロジェクト全体のデザインや情報発信の側面から支援を行っている。
望月優大 Twitter Facebook / 松岡宗嗣 Twitter Facebook

 

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